物流業界で使用される専門用語を解説しています。
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「A」
「A」からはじまる用語解説
A/N (Arrival Notice)
海上輸送時に、本船(貨物)到着を受取人もしくは通知先に対して通知するための書類のこと。
これを入手してから業者は輸入通関から貨物引き取りまでのスケジュールを作成する。
A/P (Additional Premium)
割増保険料のこと。
付保する保険料の危険度が基本料率の算出基準のベースとなる標準的な危険より大きくなる場合、もしくは標準と異なる種類の危険を付保する場合に、その危険に応じて追加徴収される割増料のこと。
ABC分析 (ABC analysis)
適切な在庫管理システムを決めるための分析方法のこと。
在庫品を品目別に価格と販売量によって ABC の三グループに分類し、管理の重点のかけ方を決める類をいう。
どのような商品に重点をおけばよいかを戦略的に考えるための分析手法であり、主に在庫管理・品質管理・顧客管理などに使用される。
ACTIS (Airport Customs Taxation and Information System)
旅具通関事務電算システムのこと。
入国旅客等に対する適正・迅速な通関を確保し、関税の収納事務等の効率化・簡素化を図るため導入されたシステム。
徴税機能、統計資料作成機能と航空会社から送付される旅客情報を蓄積する機能を持つ。
Actual Weight
貨物(梱包を含む)の実際の重量のこと。
貨物輸送料金は、実重量(Actual Weight)と貨物の容積をkgに換算した容積重量(Volume Weight)を比較し、kgが大きい方の数値にて料金の計算を行う。 航空貨物の計算例: 100x100x90㎝ 130Kgの貨物の場合、900,000㎝3÷6,000㎝3=150㎏(Volume Weight)と130Kg(Actual Weight)を比較して、150㎏が大きいため、こちらが料金計算に適用される。
ADC技術 (Automatic Data Capture)
自動データ取得(自動認識)技術のこと。
様々なデータ(バーコード・RFID・二次元シンボル・音声など)をコンピュータデータとして認識する技術をさす。
Additional Freight
割増運賃のこと。
貨物の形状、特殊性、港湾事情や航海上の理由などで、一定割合で加算される運賃を指す。
主なものには、Heavy Lift Charge(重量貨物割増)、Lengthy Charge(長尺貨物割増)、Outport Surcharge(僻地割増)などがある。
AEO (Authorized Economic Operator)
税関手続の簡素化やセキュリティに関連する優遇等の便益を付与する制度のこと。
物品のサプライチェーンにおいて安全基準を遵守しているとして税関当局等が認定した輸出入者、運送業者、倉庫業者等に対し認定される。
AGV (Automated Guided Vehicle)
自動搬送車のこと。
無人で搬送や荷役を行うフォークリフトや搬送台車の総称。
軌道タイプと、無軌道タイプがある。
Air Freight Forwarder
利用航空運送事業者または航空貨物混載事業者のこと。
不特定多数の荷主から集めた貨物を集約し、同一空港宛の貨物をまとめて航空会社と輸送契約を結ぶ輸送業者をいう。日本では国際航空貨物輸送業者を指すことが多い。
AMS (Automated Manifest System)
米国の自動通関システムのこと。
船会社と税関がシステムで繋がるため、米国到着前でも通関処理が可能となり、到着地での配送など手配が迅速に行える利点がある。
APEC (Asia-Pacific Economic Cooperation)
アジア太平洋経済協力のこと。
アジア太平洋地域の持続可能な発展を目的とし、域内の主要国・地域が参加するフォーラムである。主な活動は、域内の貿易投資の自由化・円滑化、経済・技術協力となっている。
ASEAN (Association of South East Asian Nations)
東南アジア諸国連合のこと。
インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスの10カ国が加盟している。
ASEAN+3 (ASEAN Plus Three)
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本、中国、韓国の3カ国で協力していく枠組みのこと。
ASEAN+6 (ASEAN Plus Six)
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国で協力していく枠組みのこと。
ASEM (Asia-Europe Meeting)
アジア欧州会合のこと。
東アジア・欧州間の協力関係の強化を目的として1996年(平成8年)より開始された対話プロセスをいう。アジア・欧州での対等のパートナーシップを基礎として、政治対話促進、経済面での協力強化及び文化・社会面等での協力促進に取組んでいる。
ASN (Advanced Ship Notice)
事前出荷予定データ(事前出荷明細送付)のこと。
EDIシステムにより、ベンダーからセンター又は店舗への納品予定として送られる。
商品が入庫あるいは納品される前に、納品予定数などの情報を事前に相手先へ送付することで、荷受け場での検品作業が軽減され、作業効率を向上させることが可能となる。
フォーマットは国内標準化がされているが、業種によって異なっている。
ASP (Application Service Provider)
ビジネス用アプリケーションをインターネット回線などを通して顧客に提供する事業者もしくはサービスのこと。
一般的には事業者を指し示す場合が多い。
AWB (Air Way Bill)
航空貨物運送状のこと。
荷主と運送業者との間で、貨物の運送契約が締結されたことを示す証拠書類となるもの。
IATA(国際航空運送協会)の統一様式がある。
「B」
「B」からはじまる用語解説
B/L (Bill of Lading)
船会社が発行する船会社と荷主との間における運送条件を明示した書類のこと。
船会社が海上輸送を委託され、指定港にてB/Lに記載されている正当な荷受人へ貨物を引き渡すことを約束している。船荷証券とも呼ばれる。
B2B (Business to Business)
商取引の形態のひとつで、企業と企業との間で取り交わされる取引のこと。
電子商取引(eコマース)の分類として用いられることが多い。
B2C (Business to Consumer)
商取引の形態のひとつで、企業と一般消費者との間で取り交わされる取引のこと。
電子商取引(eコマース)の分類として用いられることが多い。
BAF (Bunker Adjustment Factor)
燃費の高騰(下落)があった場合に通常料金に割増(引)する料金のこと。
バンカーサーチャージとも呼ばれる。
Base Rate
基本運賃のこと。
定期船運賃は一般的に①基本運賃②割増運賃③付帯運賃で構成されている。
基本運賃は、運送に対する基本的対価であり、Commodity Rate(品目別運賃)、Freight All Kinds Rate(品目無差別運賃)、Commodity Box Rate(品目別ボックス運賃)などがある。
Block Train
コンテナ専用列車のこと。同一のコンテナ貨車が同一の仕向け地まで輸送するもの。
Booking
船腹予約のこと。
貨物を輸送する際に、輸出する貨物の準備が出来、予定が決まったときに船会社もしくは航空会社に対しスペース確保の予約をすること。
Booking Note
船腹予約の際に、その内容を確認するための書類のこと。
Box rate
コンテナ1本当たりに決まった運賃を課すこと。この運賃は輸送品目に係らず課せられる。
BP (Before Permit)
許可前引き取りのこと。
やむを得ない理由がある場合(輸入申告した貨物の税率や課税標準決定に時間が掛かるなど)に、税関長の承認を受けて予定税額相当分の担保を差し入れることにより輸入許可前に貨物を引き取る手続きをいう。
BPO (Business Process Outsourcing)
自社の業務プロセスの一部を継続的に外部の専門的な企業に委託すること。
総務・間接部門業務や、コールセンター業務、物流業務などで実施される例が多い。
Broker
売買の仲介をする人のこと。
BSC (Balanced scorecard)
経営管理・業績評価システムとして使われる管理・評価手法のこと。
企業のもつ重要な要素がビジョン・戦略にどのように影響し、業績に現れているのかを可視化するための手法。
BTO (Build to order)
製造業、メーカーでの受注生産(受注してから生産する)のこと。
メーカー側にとっては在庫リスクなどが減り、オーダーする顧客にとってはオプション設定など要不要の機能を選択するなどのメリットがある一方で、受注から製造、出荷までのプロセスが煩雑になりSCMが重要になる。最近はSCM高度化により、効率的な仕組みを構築できるようになり一般的となった。
デル・コンピューターがBTOと製造アウトソーシングでPC直販モデルを構築して成功したのは有名な逸話。
「C」
「C」からはじまる用語解説
C-TPAT (Customs-Trade Partnership Against Terrorism)
米国税関国境警備局が導入したプログラムのこと。
テロ対策のため、米国政府と民間が連携し、輸出国から米国に至るサプライチェーン全体をより効果的に保護することを目的に、2004年11月に米国税関国境警備局が導入した。
米国関税庁の示すセキュリティガイドラインに沿って船会社や通関業者、倉庫管理者、輸入者、製造者等の企業が、貨物に対するセキュリティを強化するため、セキュリティプログラムを考案、実施し、関税庁にC-TPATプログラムに参加を申請する。
参加手続きは、質問状に基づき、自社のコンプライアンスプログラムの概略を回答するとともに誓約書を提出する。参加申請で優良と認められた場合、迅速な輸入通関、貨物抜取検査率が低くなる等のベネフィットがある。
C/P (Charter Party)
用船契約書のこと。
不定期船を対象とした満船またはパート貨物の運送契約。
本来の日本語、ないしは法律用語では「傭船契約」と書く。「用船」の文字は代用表記である。
また、チャーター契約ともいう。
C/P B/L (Charter Party B/L)
用船契約に基づく貨物輸送で発行されるB/Lの紙面上に「Asper C/P」と記載し、B/L約款以外の運送条件があることを明記している書類のこと。
L/Cに「C/P B/L scceptable」の文言が無いと銀行買取を受けられない。
C/W (Chargeable Weight)
運賃計算基礎重量のこと。航空貨物において運賃計算の基礎となる重量をいう。
通常、実重量(Gross Weight)あるいは容積重量(Volume Weight)のどちらか重いほうで計算される。
CAF (Currency Adjustment Factor, Currency Surcharge)
通貨変動により発生する為替の差損(益)を調整するための割増(引)料金のこと。
カレンシーサーチャージとも呼ばれる。
CAO (Computer Aided Ordering)
自動発注システムのこと。
小売店が売上データを分析し、商品毎に、発注点在庫を設定する。発注点在庫を下回った在庫は、自動的に補充発注が行われる。
Cargo Manifest
本船に船積みされている貨物明細のこと。一般的には「Manifest」もしくは「M/F」と言われる。
Cargo Sublet
船会社が何らかの事情により本船スペースを確保できなくなった場合に、他の船会社のスペースを借り受けて荷主の貨物を運ぶこと。
Carrier
運送人のこと。
COC (Carrier’s Own Container)
船会社が所有・管理するコンテナのこと。メーカーやフォワーダーなどが所有・管理するコンテナは、SOCと言う。
Cartage
地上運送料金のこと。通常、航空業界において指定貨物の受託と引渡し場所との間に発生する地上運送料金をいう。
CBR (Commodity Box Rate)
品目別運賃のこと。
海上運送貨物の運送コスト、運賃負担力、荷姿、性質を考慮し、品目区分ごとに運賃率や運賃建てが設定される。
品目区分に関しては、各航路によって異なる。
CC (Charge Collect)
運賃料金が着払いであること。
CCC (Customs Convention on Containers)
コンテナ貨物ではなくコンテナそのものの通関を容易にするための国際条約のこと。
国際的なコンテナ輸送の発展に伴い、1956年にジュネーブで欧州委員会が制定し、その後世界のおよそ40カ国が実情にあわせた形に改めつつ適用している。
各締結国に一時輸入され、一定期間内に再輸出されるコンテナは輸入税、輸入禁止および制限の適用が免除されるともに、通関書類、申告書、輸出手続き、担保の提出が免除されると規定。また、製造国が承認したコンテナは保税輸送用容器として締結国が受け入れること、一時輸入されたコンテナの内貿への転用が一定の条件下で認められること、などが規定されている。
CFR (Cost and Freight)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は、運賃込みとなる。
売主は、指定仕向港までの輸送に必要な費用を負担し、買主は、輸入通関以降の費用を負担する。
危険負担に関しては、本船に貨物が置かれた際に、買主へ移転する。
CFS (Container Freight Station)
コンテナターミナル内にある、コンテナ詰めや混載、もしくはコンテナから貨物を取り出す作業を行う施設のこと。
CFSに搬入される貨物やCFSで荷渡しが行われる貨物をCFS貨物と呼ぶ。
CHC (Container Handling Charge)
コンテナターミナル内でのコンテナの荷捌き料金のこと。
CIF (Cost, Insurance and Freight)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は、運賃保険料込となる。
売主は、指定仕向港までの輸送に必要な費用の負担と保険を付保し、買主は、輸入通関以降の費用を負担する。
危険負担に関しては、本船に貨物が置かれた時点で、買主へ移転する。
CILS
Computer-integrated Logistics Systemの略で、コンピュータ物流統合システムのこと。
コンピュータにより、調達物流、生産支援物流、販売物流、廃棄・回収物流の一連の流れを統合するシステムのこと。
CIM (Convention Internationale concernant le transport des Marchandises par chemin defer)
国際鉄道物品運送条約のこと。
欧州諸国を中心とする条約で、国際間のコンテナ貨物等を鉄道で通し運送する際の規定。
CIP (Carriage and Insurance Paid To)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は輸送費保険料込みとなる。
売主は自己の指定した運送人に物品を引渡し、指定仕向地までの輸送費等の負担と、保険を付保する。ただし、危険負担は、売主から運送人へ貨物の引き渡しされた時点で買主へ移転する。
CIQ (Customs、Immigration、Quarantine)
税関、出入国管理、検疫所の略称のこと。
貿易を行う上で必要な手続き、施設であり、日本の主要港湾や空港のほとんどで、CIQ体制が整備されている。
税関は財務省、出入国管理は法務省、検疫所は農林水産省と厚生労働省の管轄となる。
CLM (Certificate and List of Measurement and/or Weight)
検量証明書のこと。正式には「容積重量証明書」という。
本船積み込み貨物の容積や重量を算出し、作成した公式証明書類のこと。
船会社の運賃計算やB/L作成時に必要な重要書類である。
CLP (Container Load Plan)
コンテナ内積付表のこと。
コンテナ内積付表には、コンテナ内に積載された貨物の明細が記されている。
コンテナ1本毎に、FCLの場合、荷主企業や海貨業者、LCLの場合は、船会社やCFSオペレーターにより作成される。
Co-load
フォワーダー(混載業者)が別のフォーワーダーに貨物を合積みしてもらうこと。
COFC (Container on Flat Car)
海上輸送用コンテナを直接鉄道コンテナ貨車に乗せて輸送する方式のこと。⇒TOFCも参照。
Combined Transport B/L
複合運送証券のこと。
貨物の荷受地から荷渡し地まで、陸送・海上輸送・航空便など少なくとも2つ以上の輸送手段を使い、輸送区間全体を自らの責任で手配し、またその責任を負う複合運送人が発行する証券。
Intermodal B/LまたはMultimodal Transport Documentともいう。
Commercial Invoice
輸出貨物の品名・価格(単価と総額とその建値)・数量・契約条件・買主等が記載されている明細書と請求書を兼ねる書類のこと。
厳密には、パッキング・リストや検量リスト等も揃わなければ明細書とは言えない。
Concealed Damage
潜伏損害のこと。
荷受人の貨物受領時点では外装・外観に異常がなく、開梱しないと発見できない損害のこと。
Consignee
荷受人のこと。
Consignor
荷送人のこと。
Correspondence
商業通信文のこと。海外とのやり取りで交す手紙やメールなどの商業文を指す。
Courier Cargo
国際的規模で行なう宅配便のこと。
一般航空貨物とは違い、通常荷送人や荷受人が行なう輸出入の通関手続きが必要ない。
CPT (Carriage Paid To)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は輸送費込みとなる。
売主は自己の指定した運送人に物品を引渡し、指定仕向地までの輸送費等を負担する。
危険負担に関しては、貨物が運送人に引き渡された時点で買主に移転する。
このため、通常は買主が保険を付保する。
CRM (Customer Relationship Management)
顧客管理システムのこと。
顧客の情報を管理、分析することで、適切な商品を推薦する等、顧客と長期的な関係を保つ販促活動を展開する。
CRP (Continuous Replenishment Program)
商品連続補充システムのこと。
POSデータから消費者の購入量を入手し、その分だけ商品を補充するシステム。在庫数と販売実績、販売予測、納品リードタイムを考慮し、必要在庫数や補充数を自動的に算出し、発注、納品する。
CSD(Consignment Security Declaration)
航空保安対策の一環として、Regulated Agent(特定航空貨物利用運送事業者)にて爆発物検査を行うなどして安全を確認した貨物を航空会社に委託する際に提出する英文の書類または電子的情報。
CuPES (Customs Procedure Entry System)
税関関連の申請・届出などを電子的に行うためのシステムのこと。税関手続申請システムともいう。
対象となる手続は、主としてNACCSが対象としているもの以外の税関関連の手続と輸出入の申告などの際に提出するインボイス(仕入書)関連の手続となっている。2010年2月に一部の対象手続をNACCSに移管して、現状は廃止となっている。
Customs Broker
荷主からの依頼を受け通関事務を代行する業者のこと。通関業務を行うには通関長の認可が必要となる。
Customs Clearance
通関すなわち関税法に従い、貨物の輸出入について税関から許可を受けること。
Customs Duty
関税のこと。輸出入の際に課せられる税金を指す。
Customs Inspection
税関検査のこと。
Customs Procedure Entry System
税関手続申請システムのこと。
CY (Container Yard)
コンテナを搬入し、蔵置や受渡しを行う施設のこと。船会社によって指定された港頭地区にある。
「D」
「D」からはじまる用語解説
D/A (Documents against Acceptance)
船積書類引き受け渡しのこと。
船積み書類引渡し条件の一つで、L/C無しの荷為替手形の場合で、期限付き引き受けを受けることを言う。
D/O (Delivery Order)
荷渡し指図書のこと。
船会社が本状持参人への貨物の引渡しを、CYオペレーターやCFSオペレーターに指示する書類。
荷受け人がB/Lのオリジナルに裏書し、船会社に提出する。船会社は、D/Oを発行し、荷受人はこれを提示して貨物の引き渡しを行う。
D/P (Documents against Payment)
船積書類支払い渡しのこと。
船積み書類引渡し条件の一つで、L/C無しの荷為替手形の場合で、手形の支払い者である輸入者が手形代金の支払いを条件に輸入地の銀行より船積書類の引渡しを受けることを言う。
D/R (Dock Receipt)
船会社が自社の指定する保税地域に搬入された貨物の受取証として発行する書類のこと。
D/Rは、コンテナ貨物が船会社のコンテナ・ヤードに搬入された時に発行される。
DAF (Delivered At Frontier)
インコタームズ2000の貿易条件で、インコタームズ2010の改訂の際に廃止となった。
取引条件は、国境持ち込み渡しとなる。
売主は、国境の指定引渡し地点までに費用を負担する。また、輸入通関手続き、荷下ろしは買主が行う。
危険負担は、物品が買主の処分に委ねられたときに移転する。
Damage Report
貨物の損傷状態などの、チェック内容を記録した書類のこと。補償問題などで重要な書類となる。
DAP(Delivered At Place)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は仕向地持込渡しとなる。
売主は指定仕向地までの費用と危険を負担し、当該仕向地での輸入通関手続きや関税は買主が負担する。
また、売主は、仕向地における荷下ろしの義務は負わない。
DAT (Delivered At Terminal)
インコタームズ2010の貿易条件で、インコタームズ2020の改訂の際に廃止となった。
取引条件は、ターミナル持込渡しとなる。
売主は、指定されたターミナルまでの費用と危険を負担し、当該仕向地での輸入通関手続きや関税は買主が負担する。
DC (Distribution Center)
在庫保管型センターのこと。
大量・多品種の商品を一旦保管し、必要に応じて少量多頻度に出荷出来るように整備された倉庫のこと。
DCM (Demand Chain Management)
調達から小売までのモノの供給を一つの流れとして、効率的な供給体制の構築を、小売を起点として行うこと。
サプライチェーンの中で、ムダな生産や在庫、店頭での欠品や返品を減らす。
DDC (Destination Delivery Charge)
コンテナ取り扱い料金のこと。
仕向港に到着したコンテナをコンテナヤードの所定の位置へ運ぶ費用を船会社が荷主に課金する料金こと。
米国では、ターミナルハンドリングチャージ(THC)をDDCと呼ぶ。
DDP (Delivered Duty Paid)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は関税込持込渡しとなる。
売主が指定場所までの、輸出入通関手続き、輸送費、関税等を負担する。
売主は、仕向地における荷下ろしの義務を負わない。
危険負担は、売主から物品の引き渡しを受けた際に買主へ移転する。
DDU (Delivered Duty Unpaid)
インコタームズ2000の貿易条件で、インコタームズ2010の改訂の際に廃止となった。
取引条件は、仕向地持込み渡し(関税抜き)となる。
売主が、指定仕向地において、輸入通関を行わず、到着した輸送手段から荷卸を行うことなく、物品を買主に引き渡すこと。
売主は、仕向国への輸入のための関税以外のそこまでの物品輸送に伴う費用と危険を負担する。
Declared Value for Carriage
運送人への申告価額のこと。
航空貨物輸送の場合、運送契約を行う際に物品価額を運送人に申告する。これは事故などの際に運送人が責任限度額を決定する目的のためである。NVD(No Value Declared)も申告の一種である。
Demurrage
陸揚げされたコンテナが無料保管期間(Free Time)を過ぎてもコンテナヤード(CY)から引取りされず、継続保管された場合に課される「超過保管料」のこと。
DEQ (Delivered Ex Quay)
インコタームズ2000の貿易条件で、インコタームズ2010の改訂の際に廃止となった。
取引条件は、仕向港埠頭持込渡しとなる。
指定仕向港において、埠頭(岸壁)の上で、輸入通関を行わず、物品が買主の処分に委ねられたとき、売主が引渡しの義務を果たす。
売主は、指定仕向港への物品の輸送及び埠頭(岸壁)上への物品の荷揚げに伴う費用と危険を負担する。
DES (Delivered Ex Ship)
インコタームズ2000の貿易条件で、インコタームズ2010の改訂の際に廃止となった。
取引条件は、仕向港着船渡しとなる。
物品が指定港において、輸入通関を行わず、本船上で買主の処分に委ねられたとき、売主が引渡しの義務を果たす。
売主は、荷揚げ前、指定仕向け港までの物品輸送に伴う一切の費用と危険を負担する。
Detention Charge
船会社が設定した期限(Free Time)内に空コンテナを返却しなかった場合に発生するコンテナ返却延滞料。
Discrepancy
船積書類と信用状の内容が一致していないこと。略して「デスクレ」ともいう。
Diversion Charge
揚げ地変更料金のこと。
荷主の都合でB/Lに記載されている揚げ地と異なる港に揚げ荷する場合に徴収される付加料金のこと。
Domestic Cargo
関税法上、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。(関税法第2条第1項第4号)
DPS (Digital Picking System)
ピッキングの間口に表示機を設け、表示された数量の物品をピッキングするシステムのこと。
ピッキングリストが必要ないため、ペーパーレスにつながり、ピッキングミスも減る。しかし、表示機の設置が必要なために、コストがかかる。
DPU(Delivered at Place Unloaded)
インコタームズの貿易条件の1つ。
インコタームズ2020で新設された条件で、取引条件は荷卸込持込渡しとなる。
売主は指定仕向地までの費用と危険を負担し、当該仕向地での輸入通関や関税は買主が負担する。
また、売主は仕向地における荷下ろしの義務が発生する。
危険負担は、売主から物品の引き渡しを受けた際に買主へ移転する。
Dry Container
常温で輸送される最も普及しているコンテナで、通常の長さは、20ft(約6m)と40ft(約12m)の2種類。
DX(Digital Transformation)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
「E」
「E」からはじまる用語解説
E/D (Export Declaration)
輸出申告書のこと。
貨物を輸出する際に、税関長に提出する。E/Dには、品名、数量、価格、申告者の住所や氏名が記載されている。税関が輸出を許可し、許可印が押印され、それが交付されると、輸出許可通知書となる。
EAN (European Article Number)
商品識別コードおよびバーコード規格のこと。
WPC(World Product Code)と呼ばれるコード体系に属し、ヨーロッパ等で規格化され利用されている。
米国規格の「UPC」(Universal_Product_Code)などと互換性がある。日本規格は「JANコード」(Japanese Article Number)と呼ばれる。
ECR (Efficient Consumer Response)
消費者のニーズに応えることを目的とし、メーカー、卸業者、小売業者が協力して、流通システム全体を効率化しようとする取組みのこと。
EDIを軸とし、業種を超えてデータを交換することで、取引先との受発注や、物流の迅速化や在庫の低減による経営の効率化が可能となる。また、異業種の他社との情報共有を行い、ユーザーニーズへの的確かつ、迅速な対応で、販売機械の損失を減らそうとすること。
EDI (Electronic Data Interchange)
業界や業務ごとに標準的な規約を定め、業界内、業界間で電子的にデータを交換する仕組みのこと。
企業間における商談や取引に必要な見積書、発注書、請求書、出入荷などに関わる情報を広く合意された標準的な方法により、ネットワークを通じて、企業間でやり取りすること。
EORI番号
EORI番号は事業者登録識別番号で、Economic Operators Registration and Identification Numberの略。2文字(アルファベット)の国番号と14~15文字(数字・アルファベット)で構成されている。2010年7月に導入されたEU加盟国・英国共通の事業者(企業ほか)番号で、EU・英国における通関手続きで必要となる。「イオリ番号」または「イーオーアールアイ番号」と呼ばれる。
EOS (Electronic Ordering System)
電子発注システムのこと。
小品名、数量等の発注データを、各店舗や在庫を保管している倉庫などでハンディターミナルなどの情報端末へ入力し、そのデータが卸売業やメーカーへ送信されるシステムのこと。
EPA (Economic Partnership Agreement)
経済連携協定のこと。
FTAの要素(モノ・サービスの貿易自由化)に加え、投資や人の移動、二国間協力を含む包括的な経済連携を図る協定をいう。
ERP (Enterprise Resource Planning)
企業資源計画のこと。
経営資源の有効活用を行うため、企業全体を統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法、概念のこと。
ESD (Electrostatic Discharge)
異なった静電気電位をもった物体間の電荷の移動で、静電気放電のこと。
放電の際発生するインパルス的なノイズは電子機器に障害を与える。
ETA (Estimated Time of Arrival)
到着予定日(時間)のこと。
ETD (Estimated Time of Departure)
出発予定日(時間)のこと。
EXW (Ex Works)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は工場渡しとなる。
買主は、指定場所で物品の引き渡しを受けた後、輸出入通関手続き、輸送費、関税等の一切の費用を負担する。
危険負担は、売主から物品の引き渡しを受けた際に買主へ移転する。
eコマース (Electronic Commerce)
電子商取引のこと。Electronic Commerceの略。
インターネットなどのネットワークを利用して行われる商取引のこと。
取引が迅速になり、事務処理のコストが削減できる等のメリットがあるが、信用リスクやセキュリティなどの問題もある。
eマーケットプレイス
電子商取引が行われる市場のこと。
「F」
「F」からはじまる用語解説
FAKレート (Fright All Kinds)
品目無差別運賃のこと。
コンテナ内の貨物の品目、容積、価格に関係なくコンテナ1本当たり、もしくはトレーラ1台当たりの運賃をさす。
FAL条約(Convention on Facilitation of International Maritime Traffic)
国際海上交通の簡易化に関する条約のこと。
船舶の入出港の際に伴う、通関や入管、検疫、衛生等の手続きが各港で異なると時間がかかるため、それら手続きを標準化し国際海上交通の簡素化、迅速化を図るため、1965年に国際海事機関(IMO)が制定し、1967年に発行した条約。
港長、港湾管理者、税関、入国管理局に対して行う入(出)港届けを統一申請様式とし、
- 入出港届け
- 積み荷目録
- 船用品目録
- 乗組員携帯品申告書
- 乗組員名簿
- 旅客名簿
- 危険物積み荷目録
- 名告書
の原則8種類に統合した。
また、申告項目も約3分の1となり、電子化による申請も可能となった。
FAS (Free Alongside Ship)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は船側渡しとなる。
物品が指定船積港において、貨物を船の側におくまでの費用を負担し、それ以降の費用は借主が負担する。
危険負担は、貨物を船の側に置いたら買主へ移転する。
売主は、貨物を船に積み込む必要はない。
FAZ(Foreign Access Zone)
輸入促進地域。「輸入の促進及び対内投資の円滑化に関する臨時措置法[FAZ法](平成4年法律第22号)」に基づく輸入促進計画により、港湾及び空港地区に設定される地域。事業者に支援措置をとることで、保管・荷さばき施設等の輸入関連施設等を集積させ、輸入の促進並びに輸入品の流通円滑化を図る。
FCA (Free Carrier)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は運送人渡しとなる。
売主が輸出通関を行い、買主の指定場所で指定された運送人に貨物を引き渡す。
貨物が運送人に引き渡されて以降の費用、危険を買主が負担する。
このため、通常は買主が保険を付保する。
FCL (Full Container Load)
コンテナ1本を満たしている貨物のこと。
ただし、コンテナ1本を満たしていない場合でも、FCL貨物として運ぶ場合がある。
FCR(Forwarder’s Cargo Receipt)
貨物受領書のこと。運送取扱人が貨物運送を海上運送人へ取次、委託を行う前提条件で貨物受取をした証明書。
航空貨物の時に使われるACR (Air Cargo Receipt)と同義語。
FEU (Forty-Foot Equivalent Units)
40フィートコンテナで換算したコンテナ個数を表す単位のこと。
輸出入に使用される海上コンテナは国際的に統一された構造となっているため、サイズも20フィートと40フィートが一般的に使用される。
FHD (Free House Delivery)
到着地における輸入関税や各種の手数料までを荷送人が負担する輸送方式のこと。
荷受人は一切の費用負担を行わない。FREE DOMICILEとも呼ばれる。
FIFO (First-In First-Out)
先入れ先出し法のこと。
Final Destination
B/L上に記載されている項目の一つで、貨物の最終仕向け地のこと。
船会社の輸送責任としては、Place of delivery欄に書かれている場所までとなる。
Flat Rack Container
ドライコンテナなどに入らない大型・重量貨物の輸送に適しており、側面と屋根部分が取り払われた構造のコンテナ。ドライコンテナの高さ・幅を超える貨物を、横、上部から積載できる。通常の長さは、20ft(約6m)と40ft(約12m)の2種類。
FMS (Flexible Manufacturing System)
数値制御 (NC) 工作機械、ロボット、自動搬送装置、自動倉庫などを有機的に結合し、コンピューターによる制御、管理のもとで効率的に多品種の混流生産を行うこと。
少品種大量生産を目的に設計されたオートメーションシステムを、多品種少量生産にも対応できるようにした。
FOB (Free On Board)
インコタームズの貿易条件の1つ。
取引条件は本船渡しとなる。
指定船積港において、貨物が本船の船上に置かれたとき、危険負担が買主へ移転する。
売主は、本船積み込みまでの費用を負担し、買主は、積み込み以降の費用を負担する。
FOR (Free On Rail)
売買貨物を鉄道貨車に積み込むまでを売主が負担する契約条件のこと。
Foreman
ステベの監督をする人。
Forwarder
貨物取扱業者のこと。
荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段 (船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者のこと。一般的には国際輸送を行う業者を指すことが多い。
Free Time
船会社が荷主にコンテナを貸し出した際に、返却されるまでの一定期間を無料にしている期間のこと。
輸入の場合に、コンテナ・ヤードで引き取り可能となってから一定期間を無料保管しており、その期間も同じくフリータイムと呼ぶ。
Freight Collect
運賃後払いのこと。
運送行為の完了時 (一般的には荷揚げ地)に荷受人が貨物と引き換えに支払う方法のこと。
Freight Prepaid
運賃前払いのこと。輸出地側 (荷物を送る側)で、運賃を支払うこと。
FTA (Free Trade Agreement)
自由貿易協定のこと。関税やサービス分野の規制等を撤廃し、モノやサービスの貿易の自由化を図ることを目的とした協定。
FTAAP (Free Trade Area of the Asia-Pacific)
アジア太平洋自由貿易圏のこと。
FTL(Full Truckload)
トラックまたはトレーラー1車で運ぶこと、または1車を満たす量があること。TL (Truckload)ともいう。
FTZ (Free Trade Zone または Foreign Trade Zone)
自由貿易地域のこと。
自由貿易振興を目的として、輸出入貨物に関税を課さないとして国より指定された地域を指す。
F級冷蔵庫
常温以下の温度で貨物を保管する冷蔵倉庫のこと。
貨物を保管する倉庫の温度帯が-20℃以下をF (フローズン)と呼ぶ。
「F」は以下のように分類される。
- F1級 -20℃以下~-30℃未満
- F2級 -30℃以下~-40℃未満
- F3級 -40℃以下~-50℃未満
- F4級 -50℃以下
「G」
「G」からはじまる用語解説
GATT (General Agreement on Tariffs and Trade)
1948年に発行した関税貿易一般協定のこと。
関税や各種輸出入規制などに関する貿易障壁を取り除き、多国間で自由貿易を維持・拡大するために締結された国際協定。95年1月よりWTO(世界貿易機関)に引き継がれた。
GCR (General Cargo Rate)
一般貨物賃率のこと。
航空貨物運賃で、CCR(品目分類賃率)、SCR(特定品目賃率)が適用されない貨物で使用される。
GIS (Geographic Information System)
地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術。
GPS (Global Positioning System)
地球上の現在位置を調べるための衛星測位システムののこと。
航空機や船舶などの航行システムで使用されてきたが、近年はカーナビゲーションシステムや携帯電話でも使用され、位置情報を利用した様々なサービスが提供可能となった。
GRI (General Rate Increase)
海上運賃一括値上げ
Gross Weight (G/W)
梱包材を含む貨物(製品が梱包された状態)の重量(総重量)。
GSP (Generalized System of Preferences)
開発途上国(特恵受益国)を原産地とする貨物に対して、一般の関税率よりも低い関税率(特恵税率)を適用する制度。
「H」
「H」からはじまる用語解説
Handling Fee
手続きや仲介などの際に授受する手数料のこと。
Heavy Lift Charge
重量貨物割増料のこと。
定期船輸送で、1個当りの貨物重量が一定基準を超えた場合に徴収されるサーチャージで、貨物の積み付けや積み下ろしに特殊な手配や設備が必要となるため課徴される。
HHT (Hand Held Terminal)
持ち運び用の検品端末のこと。
High Cube Container
ハイキューブコンテナとは、海上輸送コンテナの高さが9フィート6インチ(約2m90cm)のコンテナのことを指します。これに対して、通常の海上輸送コンテナの高さは、8フィート6インチ(約2m60cm)。
HAWB (House Air Waybill)
混載業者が発行する航空運送状のことで、Master Air Way Bill(MAWB)が、航空会社(実運送人)から混載業者に対して発行される航空運送状に対して、House Air Waybill(HAWB)は、混載業者から荷主に対して発行される航空運送状。
HS Code
商品の名称及び分類についての統一システム(International Convention on the Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)により輸出入される物品を品目別に6桁コードで表した品目表のこと。
国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一している。
HS条約 (International Convention on the Harmonized Commodity Description and Coding System)
商品名称及び分類についての統一システムに関する国際条約の俗称のこと。
WCO(世界税関機構)における協議・採択を経て、各国の関税率表の品目分類等を統一し、国際貿易の円滑化に資するために作成された条約をいう。締約国は、HSに基づき自国の関税率表及び輸出入統計品目表を作成し運用することが義務づけられている。
「I」
「I」からはじまる用語解説
I/D (Import Declaration)
輸入申告書のこと。
輸入する際に、輸入者名、貨物の品目、数量、価格、関税、消費税等を記載し税関に提出する。税関が輸入を許可すると、許可印を押印し交付され、輸入許可通知書となる。
I/L (Import License)
輸入承認書のこと。
輸入貨物が下記の項目に該当する場合、輸入貿易管理令の規定により、所定の機関に申請を行い輸入の承認を受ける書類。
IATA (International Air Transport Association)
国際航空運送協会のこと。
1945年にキューバで結成された、国際船を運航する航空会社、旅行代理店、その他の関連業界のための業界団体であり、空運送の安全性、確実性、及び経済性などの向上を目的として創立された。
1950年にIATA代理店制度が導入され、一定の要件を備える旅客、貨物取扱業者は申請によりIATA代理店として認定される。
IATAは、加盟企業の適用運賃の調整と、各キャリアに共通の便益となる物事を推進する2つの機能を果たしている。
IBAN Code
銀行口座の所在国・支店・口座番号を一意に特定するための統一規格のコードのこと。「国際銀行口座番号」とも言われ、主に欧州で使われる。
IBP (Import Permit of the Goods Delivered Before Permit)
許可前引き取り貨物輸入のこと。
BP(許可前引き取り)した貨物の承認を受けて、国内に引き取った貨物の輸入許可手続きを行い、確定した関税・消費税を納付し、担保解除を受けること。「本許可」とも言われる。⇒BP(許可前貨物引き取り)も参照
ICAO
国際民間航空が安全かつ整然と発達するように、また、国際航空運送業務が機会均等主義に基づいて健全かつ経済的に運営されるように各国の協力を図ることを目的として、1944年に採択された国際民間航空条約(通称シカゴ条約)に基づき設置された国連専門機関となる。この目的のために、ICAOは、国際航空運送業務やハイジャック対策をはじめとするテロ対策等のための条約の作成、国際航空運送の安全・保安等に関する国際標準・勧告方式やガイドラインの作成等を行っている。また、国際航空分野における気候変動対策を含む環境保護問題についても議論及び対策が進められてる。 ICAOが作成する国際標準と勧告方式は、シカゴ条約の附属書としてまとめられている。附属書は全部で19あり、下記のように幅広い分野にわたる。
- 技能証明
- 航空規則
- 気象
- 航空図
- 計測単位
- 運航安全
- 登録
- 耐空性
- 空港での出入国
- 通信装置
- 交通管制の運用
- 遭難救助
- 事故調査
- 飛行場設計
- 航空情報収集・伝達の方法
- 環境保護
- 航空保安
- 危険物輸送
- 安全管理
ICS2 (EU税関新安全・保安プログラム)
ICS2(Import Control System2)は、EUに輸入される全ての航空貨物のセキュリティ対策強化を目的として2023年3月1日に導入された、貨物到着前にデータを取集するための新たな税関プログラム。尚、2024年3月1日には、海運、道路輸送、鉄道輸送が対象として追加される予定(2023年5月現在)。
ICT (Information and Communication Technology)
情報通信技術のこと。日本ではITとほぼ同義で使用されている。国際的にはICTが広く使われている。
IMO (International Maritime Organization)
国際海事機関のこと。
海上航行の安全性と海運技術の向上やタンカー事故などによる海洋汚染の防止、諸国間の差別措置の撤廃を目指す組織のこと。
Impact Loan
使途を制約されない外貨借款のこと。
Incoterms2020 (International Rules for The Interpretation of Trade Terms)
インコタームズ(Incoterms)は、1936年、国際商業会議所(ICC)によって制定された貿易取引条件の内容に関する統一的な解釈基準のこと。国際貿易取引における売り主と買い主間の事故発生時の費用負担や責任などの様々なトラブルを回避するため、売主・買主間の物品の引き渡しに関する危険の移転の分岐点、役割や費用の負担区分などそれぞれの規則の下で売主・買主が行うべき義務をまとめた取引条件。商慣習の変化に伴い、1953年、1967年、1976年、1980年、1990年、2000年、2010年の改訂を経て2020年1月1日、インコタームズ2020が発効された。
インコタームズ2020ではインコタームズ2010と同様、「いかなる輸送手段にも適した規則」と「海上および内陸水路輸送のための規則」の2条件で、11規則に分類される。
いかなる輸送手段にも適した規則
- EXW(工場渡し)
- FCA(運送人渡し)
- CPT(輸送費込み)
- CIP(輸送費保険料込み)
- DAP(仕向地持込渡し)
- DPU(荷卸込持込渡し)
- DDP(関税込持込渡し)
海上および内陸水路輸送のための規則
- FAS(船側渡し)
- FOB(本船渡し)
- CFR(運賃込み)
- CIF(運賃保険料込み)
インコタームズ2020では、インコタームズ2010にあったDATが消滅し、これに代わってDPUが新設された。
なお、インコタームズは法律や条約でない為、契約当事者がインコタームズ2020を採用すると合意した場合は契約書にその旨を明示する必要がある。
International Courier Service
国際宅配便のこと。航空便(一部海上便)を使った小口貨物のドアtoドアサービスである。郵便物以外が対象となる。
Invoice
貨物通関手続きに必要な書類のこと。送り状や納品明細書、請求書などの役割を果たす。
海外へ発送する貨物にはすべてこのインボイスをつけなければならない。
IoT (Internet of Things)
パソコンなどコンピュータ以外のさまざまなモノ(建物、電化製品、自動車、医療機器など)がインターネットに接続され、相互に情報をやり取りすること。
IPEF (Indo-Pacific Economic Framework)
インド太平洋経済枠組み。自由で開かれたインド太平洋を経済面で実現することを目指すもの。参加国は全14ヶ国で、米国、日本、豪州、ニュージーランド、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、インド及びフィジーとなる(2022年9月現在)。
IQ (Import Quota)
輸入割当制のこと。
経済状況により、特定の貨物を輸入する際の数量を制限する必要がある場合、貨物の数量または金額を輸入者または需要者などに割り当てる制度のこと。
ISO (International Organization for Standardization)
ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称のこと。
ISPS Code (International Ship and Port Facility Security Code)
船舶及び港湾施設の保安のための国際規格のこと。
国際航海に従事するすべての旅客船及び総トン数が500トン以上の貨物船は「ISPSコード」に適合し、国際船舶保安証書(ISSC)を所持することが義務付けられている。
ISW (Import from Storage Warehouse)
蔵出し輸入のこと。保税工場(倉庫)にある貨物を移し出し、移し入れすることを言う。
ITF (Interleaved Two of Five)
JANコードと同様のバーコード規格のこと。
JANコードの前に1桁または2桁の「物流識別コード」を付加したも ので、「物流商品コード」という。JANと比較すると記録密度が高く、多少の印刷状態が良くないものであっても読み取りが可能となる。
「J」
「J」からはじまる用語解説
JAN (Japanese Article Number)
JIS(日本工業規格)により規格されたバーコードのこと。
店舗等に流通している多くの商品にマーキングされており、POSシステムや在庫管理、受発注システムなどで価格や商品名の検索に使用されている。JANはPOSシステムで活用されており、アメリカやカナダのUPC、ヨーロッパのEANと互換性があるため、全世界で利用可能な共通コードである。ただし、桁数が13桁か8桁と決まっているため、ユーザーが自由にデータを構成することはできない。
JETRO (Japan External Trade Organization)
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)のこと。
2003年10月、日本貿易振興機構法に基づき、前身の日本貿易振興会を引き継いで設立された。
JIS (Japanese Industrial Standards)
日本産業規格。産業標準化法により制定されるモノ・サービス等の国家規格。
「K」
「K」からはじまる用語解説
KD (Knockdown Export)
現地組立輸出のこと。
組立の設備や能力のある取引先に対し、商品を部品や半製品で輸出し、需要地で製品に完成させる方式のこと。
KPI (Key Performance Indicator)
重要な戦略目標の成果を定量的に測定する指標のこと。(重要業績評価指標。)
業績評価指標を定めることにより、目標が明確になり、現状のパフォーマンスの把握ができる。それにより、目標値との差異分析や組織行動の再調整という目標達成への改善プロセスが機能する。
物流でKPIを設定する場合、リードタイムや欠品率、輸送・保管のコスト、車両の稼働状況、在庫管理の回転率、出荷精度等がある。
「L」
「L」からはじまる用語解説
L/C (Letter of Credit)
輸入者の依頼で、輸入者の取引銀行が発行する荷為替信用状のこと。
船籍書類の提示、輸出入手形に対して、銀行が輸入者に代わって輸入代金を支払うことを保証するもの。
L/G (Letter of Guarantee)
一般的には銀行保障状のこと。
輸入貨物引取りの際に、B/L(船荷証券)が未着の場合引き取り出来ない。その場合に、銀行の連帯保証状を船社に差し入れることにより引取りを可能とする。
L/I (Letter of Indemnity)
保証書のこと。荷主がClean B/L(無故障船荷証券)を船会社から発行してもらう事と引き換えに、荷主は船会社に対して貨物損傷に対していかなる求償もしないことを保証した「貨物引き取り保証」などのこと。
Lashing
荷崩れ防止のため、ワイヤー、ロープ、ラッシングベルト等で、トラックやコンテナ内の貨物を固定すること。または、海上輸送においてコンテナを本船に固定すること。
Latest shipment
L/C用語で、最終船積期限のこと。他には、「Latest shipping date」や「Latest date for shipment」などと言われる。また、L/Cの有効期限は、「Expire date」という。
LCA (Life Cycle Assessment)
製品やシステム等が作られてから破棄されるまで、全ての環境に与える影響を包括的かつ定量的に評価する仕組みのこと。
LCL (Less than container load)
コンテナ輸送における小口貨物のこと。
LCM (Life Cycle Management)
IT機器の調達から、使用後の回収・再利用までのライフサイクルを総合的にマネジメントするもの。
LIFO(last in first out)
後入れ先出し法のこと。
LLP (Lead Logistics Provider)
従来3PLが担った物流の管理・運営に加え、企画立案・計画策定まで一貫して物流を担う業態のこと。
LMI (Logistics Managed Inventory)
物流業者管理在庫のこと。
3PLの業者として物流業者が調達部品を自社の在庫として保管し、JIT(ジャスト・イン・タイム)で納入先に届ける方法のこと。
Loading Limitation
搭載制限のこと。一般に航空業界において、搭載に係わる容積、重量、危険物などの制約や制限を指す。
Logistics
物流のこと。元は軍隊用語である「兵站」のこと。
本来は調達から販売、消耗部品の供給という物流的な側面の他に、設備メンテナンス体制や製品のライフサイクルを課題にする広範な業務を対象としている。
LOLO船 (Lift-on Lift-off ship)
Lift on/Lift off Shipの略。港のガントリークレーン(または本船クレーン)で、コンテナ等を吊り上げ荷役を行うタイプの船。
別のタイプで、RORO船がある。呼び方は、LOLO船はロロ船、RORO船はローロー船と呼ぶ。
Loose Cargo
コンテナに積められていない貨物やパレット化されていない貨物のこと。
Lumpsum Freight
積荷の量に関係なく、船腹一括で決める運賃のこと。
割安に交渉できるが、積荷が少ない場合も全額支払わなければならない。
「M」
「M」からはじまる用語解説
M/R (Mate’s Receipt)
船会社が自社の指定する保税地域に搬入された貨物の受取証として発行する書類のこと。
M/Rは、在来船(コンテナ船を利用せず船倉に貨物を積み込んで運送する従来の貨物船)に積載された時に発行される。
Marine Insurance
海上保険のこと。航海における事故によって発生した損害 (海損) を填補する保険のこと。
Marine Insurance Policy
海上保険証券のこと。
船舶によって海上運送される貨物に対する運送保険証書のことで、保険契約の存在及び内容を証明する証拠証券を指す。
MAWB (Master Air Way Bill)
航空会社(実運送人)が発行する航空運送状のことで、House Air Waybill(HAWB)が、混載業者から荷主に対して発行される航空運送状に対して、Master Air Way Bill(MAWB)は、航空会社から混載業者に対して発行される航空運送状。
Master Bill of Lading
船舶会社がNVOCC(非船舶運航業者 / フォワーダー)などに対して発行する船荷証券のこと。
Measurement
貿易用語では、貨物の容積(M3:立方メートル)のこと。
Minimum Charge
最低料金。
MRP (Material requirements planning)
資材所要量計画のこと。
生産計画の在庫管理法のひとつをいう。
Multilateral Trade Negotiations
多角的貿易交渉のこと。
世界貿易機関(WTO)及びその前身である関税と貿易に関する一般協定(GATT)における加盟国(GATT時代は締約国)間においての貿易自由化や貿易関連ルールを作るための交渉のこと。
「N」
「N」からはじまる用語解説
NACCS (Nippon Automated Cargo Clearance System)
貨物通関情報処理システムのこと。
輸出入貨物の通関関連業務の迅速化、効率化を目指した官民一体のシステムである。
NACCSの運営、管理を通関情報処理センターが行い、航空貨物と海上貨物の両方で展開している。
通関情報処理センターのホストコンピューターと、税関、通関業者、船会社、その他利用者事務所のコンピューターをリンクさせ、通関、保税業務が行える。
NAFTA (North American Free Trade Agreement)
北米自由貿易協定のこと。
1992年12月に調印され、1994年1月に発効したアメリカ、カナダ、メキシコの3国間の貿易自由化を目指す協定をいう。
N/W (Net Weight)
梱包される前の製品のみの重量(正味重量)。
Notify Party
B/LやAWBに記載されている項目で、貨物の到着通知先のこと。
NVOCC (Non-Vessel Operating Common Carrier)
貨物運送取扱事業法で定められた外航利用運送事業者を行う者のこと。
自らは本船を運航せず、集荷して運送責任を負う。
「O」
「O」からはじまる用語解説
Ocean Freight
外航船運賃のこと。
OECD (Organization for Economic Cooperation and Development)
OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関のこと。
OEEC (Organization for European Economic Cooperation)
マーシャルプラン(米国の欧州復興計画)受け入れのために、1948年に西欧の16か国によって設立された組織のこと。
1961年、OECDに改組された。
OLT (Overland Transport)
保税陸上運送のことで、トラックもしくは鉄道で、指定保税地域間を外国貨物の状態で輸送すること。
発地の税関に対し、地域と区間を定めて許可を取る。
OMR (Optional Mark Reader)
光学式マーク読み取り装置のこと。
バーコードやOCR(光学式文字読取装置)などの自動認識技術の一種となる。
黒く塗りつぶしたり、丸で囲んだりし、マークを光学的に読み取る。
On deck
本船の甲板上に積み込むこと。(船艙内に積み込むことを、Under deck という。)
On-Board Courier
航空業界で、旅客が託送手荷物として書類などを運送すること。
簡易通関制度を利用するため、通関時間短縮が図れる。
Open Top Container
ドライコンテナの天井部分のみを取り払われた、屋根が開放式のコンテナで、輸送する時は、防水布等でコンテナの天井部分を覆います。コンテナの上部からの荷役が可能な為、ドアからの荷役が困難な背高貨物を積載する場合等に使用。通常の長さは、20ft(約6m)と40ft(約12m)の2種類。
Operating Expenses
運航費のこと。
船舶運航に直接必要な費用で、主なものとして以下のものがある。
- 燃料費船舶の主機関および発電機などに使用する燃料費
- 港費船舶の入出港に伴って発生する費用
- その他仲介料、運賃保険料など貨物費に属するもの
Over Booking
航空会社・船会社が、定数以上の予約を受け付けてしまうこと。
Overflow
物流業界においては、許容範囲を超えて、本船・航空機に積載できないで、積み残された貨物。
「P」
「P」からはじまる用語解説
P/L (Packing List)
包装明細書のこと。
Invoice(送り状)の記載を補足するため、荷印、箱番号、箱ごとの内容明細、重量などが記載されている。
貨物の種類が多い場合には、パッキングリストに詳細が記入されるが、貨物の数量が少ない場合は、Invoiceで兼用し、作成されないこともある。
商品区分や仕分けなどを行う場合に使用される重要な船積み書類となる。
Partial shipment
分割出荷(一部船積)。
契約数量を、全量一括で船積せず、数回に分けて船積すること。
Place of Delivery
荷渡地。(貨物の引き渡し場所)
Place of Receipt
荷受地。(貨物の受け取り場所)
POR (Point of Receiving)
入荷時点で商品を管理すること。
Port of Discharge
荷揚港。(貨物を荷卸しする港・空港)
Port of Loading
積荷港。(貨物を積み込む港・空港)
POS (Point of sale system)
商品の販売時点で、品名や価格、売れた時間等のその商品に関する情報を収集、管理する(販売時点情報管理)システムのこと。
商品につけられたバーコードをレジのスキャナーで読み取り、それをコンピューターに転送する。
在庫管理や受発注管理が正確になり、複数店舗の販売動向の比較や、天候と売上を重ね合わせて動向をつかむ等、他のデータと連携した分析、活用が容易になる。
主にコンビニエンスストアや小売業等で使用され、マーケティングの材料としての活用も行われている。
PP (PRE-PAID)
PRE-PAID(Charge Prepaid)の略。
前払い運賃のこと。
航空輸送や船輸送で、運送状の発行時に貨物運送料金を荷送り人が積み地にて支払うことを言う。
Price Quotation
価格の建て方のこと。貿易用語の建値には、FOBやCIFといった用語が使われる。
Proforma Invoice
見積り時点で発行されるインボイス、もしくは代金送金用に発行されるインボイスのこと。
買主側で輸入許可を得てから外貨送金を行うなどの目的に使われる。
「Q」
「Q」からはじまる用語解説
QR (Quick Response)
消費者の要求に応えるため、メーカーと小売業者が協力し、生産から販売までのサイクルを短縮し、クイックデリバリーを実現すること。また、在庫回転率を高める為の手法となる。
QR活動では、市場投入開始時期になるべく生産開始を近づけることや、シーズン中に売れ行きを見ながら生産できる仕組みを作るために、商慣行の見直し、情報支援の強化を行っている。
「R」
「R」からはじまる用語解説
RCEP (Regional Comprehensive Economic Partnership)協定
地域的な包括的経済連携協定。本協定は、地域の貿易・投資の促進及びサプライチェーンの効率化に向けて、市場アクセスを改善し、発展段階や制度の異なる多様な国々の間で知的財産、電子商取引等の幅広い分野のルールを整備するもの。 参加国は、ASEAN10ヶ国、日本、中国、韓国、豪州及びニュージーランドの15ヶ国。
REACH規則 (Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
化学物質に対する総合的な登録、評価、認可、制限を行う制度(2007年発効)のこと。
EU域内で、化学品を製造、輸入する際、欧州化学品庁への物質の登録、評価を製造業者、輸入業者に義務付けている。
さらに、発がん性を有する等の健康、環境に影響を与える懸念のある物質(高懸念物質:SVHC)に関しては、認可、禁止などの制限を設けている。
Ready for Carriage
航空会社が貨物を受託して、対象貨物がそのまま発送できる状態にすること。航空貨物代理店業務の重要な機能。
具体的には以下の6つの要件がある。
- 貨物運送状の発行
- 必要書類の具備
- 梱包に荷受人の住所・氏名記載
- 輸送に耐え得る梱包となっている
- AWBラベル・特殊貨物ラベルの貼付
- 危険品目申告書
Reefer Container
冷凍・冷蔵貨物の輸送を対象とした、内部を一定温度に保つ冷凍・冷蔵ユニットが内臓されたコンテナのこと。通常の長さは、20ft(約6m)と40ft(約12m)の2種類。
RFID (Radio Frequency Identification)
小型化が進んだタグに情報を書き込み、接触することなく情報を読み取ることが可能な装置のこと。
ICタグ(情報を記録するチップと無線通信用アンテナを組み合わせた通信装置)や無線ICタグ、無線タグはRFIDと同じものを指す。
Suica、EdyカードなどはRFIDを使用した技術となる。
RoHS2/改正RoHS指令
電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関するEUの指令のこと。
RoHS2/改正RoHS指令は2003年2月に発効した最初の指令を改正したものとなる。最初の指令で電気・電子製品に使用することを原則禁止されていた6物質に加え4物質が追加され、規制される物質は合計10物質となった。RoHSはRestriction of Hazardous Substancesの略。
RORO船 (Roll-on Roll-off ship)
本船荷役の際に、本船に備え付けられたクレーンや陸上の輸送機器を使用せず、貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶のこと。
発地では、トレーラーが乗船し、貨物を積んだシャーシを切り離して船側に載せ、トレーラーヘッド(トラクタ)のみが下船する。着地では、トレーラーヘッドのみ乗船し、シャーシを連結して下船し、陸送する。
別のタイプで、LOLO船がある。呼び方は、LOLO船はロロ船、RORO船はローロー船と呼ぶ。
「S」
「S」からはじまる用語解説
S/A (Shipping Advice)
船積案内書のこと。
注文番号・品名・数量・金額・船名・出港日・B/Lなどの船積明細が記されている書類で、貨物の船積完了後に荷送人(輸出者)が荷受人(輸入者)に対して発行する。
S/C (Service Contract)
一定期間・一定量以上の貨物を積む荷主に対して、特別運賃や優遇サービスを提供すること。
1984年のアメリカ海事法に盛り込まれた。
S/I (Shipping Instruction)
船積依頼書のこと。
輸出業者が、工場あるいは仕入先からの輸出契約品の荷受けから検査、輸出申告、通関、B/L作成など、一連の手続きと作業の一切を海貨業者へ委託するために作成する書類。
また輸出業者が輸出貨物の荷姿、搬入場所、本船名、船積み日等の船積みに必要な事項を記載し、貨物の積み出しを工場や仕入先へ指示する書類を示す場合もある。
SA (Store Automation)
小売店舗自動化のこと。
POSシステムの導入などにより、店舗内の設備や機器を連動させ、店舗運営の自動化・省力化を図ること。
SCM (Supply Chain Management)
戦略的な経営管理手法のこと。
商品の資材調達から、消費者販売に至る個々の業務プロセスを、1つのビジネスプロセスとしてとらえ直し、企業や組織の壁を越えてプロセスの全体最適化を継続的に行い、製品・サービスの顧客付加価値を高め、企業に高収益をもたらす戦略的な経営管理手法。
SCMラベル (Shipping Carton Marking Label)
出荷梱包表示ラベルといい、物流の検品作業を簡素化・効率化するために開発された納品ラベルのこと。
このラベルには、内容明細や伝票番号などが表示されており、梱包箱を開けなくても検品が可能となる。これにより、大幅なコスト削減と物流スピードアップに繋がっている。
SCP (Supply Chain Planning)
需要予測に基づいて、発注・生産・流通・在庫などの管理方針や計画を策定するために利用するシステムのこと。
SCMの中核機能として、近年注目されている。
SDS (Safety Data Sheet)
有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡又は提供する際に、対象化学物質等の性質と状態や取り扱いに関する情報を提供するための文書のこと。
Shipper
荷送人または荷主のこと。一般的には、輸出者のことをいう。
SOC (Shipper’s Own Container)
メーカーやフォワーダーなどが所有・管理するコンテナ。
Shipping Document
船積書類のこと。貨物を船積みしたことを証明するための書類群の総称。
主な書類としては、以下のものがある。
- B/L(船荷証券)
- Invoice(送り状)
- Packing List(包装明細書)
- Marine Insurance Policy(海上保険証書)
- Certificate of Origin(原産地証明書)
- Consular Invoice(領事送り状)
- Inspection Certificate(検査証明書)
Shoring
荷崩れ防止のため、木材や角材等を使用して、コンテナ内の貨物が動かないように、固定すること。
Short drayage (dray)
コンテナヤードから港湾地区の保税蔵置場等までの短い距離をコンテナ輸送すること。
SKU (Stock Keeping Unit)
在庫管理単位のこと。
商品管理を行う上で、これ以上細かく分類する必要のない最小品目を表し、単品と呼ばれる。
SKUのレベルの分類は、企業の商品管理レベルにより、また商品群によって異なる。また、アイテムと混同し易いが、アイテムは商品の種類を指す。
Space Booking
船腹予約のこと。単にブッキングとも言う。
船会社が荷主の依頼を受けて船積み原簿などに登録し、スペースの確保を行なうこと。
SPS (Small Package Service)
国際小口航空貨物運送サービスのこと。、一般的にドキュメントクーリエと合わせて、国際宅配便と呼ばれる。
荷送り人から荷受人までの一貫運送とそれに伴う業務を、通し運賃の料金で行っている。
運送状は、貨物1口ごとに作成され、重量や貨物の内容に一定の制限がある。
STARラベル (Shipping,Transport And Receiving Label)
ISO規格のISO15394に準拠した出荷から輸送、荷受けまでの輸送ラベルのフルセットをガイドラインとして日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が規定したラベルのこと。
各企業が出荷・納品ラベル、輸送ラベル、仕分ラベルなどを設計する際には、STARラベルに準拠することを推奨している。
Surcharge
追加料金や割増料のこと。
特に原油価格が高騰した際に,航空・運輸会社が通常の運賃に上乗せし,燃料高騰分の負担を利用者に求めて設定した料金を指す。
燃料サーチャージとか燃油特別付加運賃などと表現される。
Surrendered B/L
荷送人が船積地で本船に貨物を積み込むと、運送人がB/Lを発行するが、発行されたB/Lを運送人に返却することを、元地回収(運送人は、B/L原本の代わりにSurrenderd等と記載されたB/Lのコピーを、荷送人に渡す。)といい、荷受人は、仕向け地でB/L原本を運送人に提示することなく貨物が引きとることができる。B/L原本の未着や紛失などの危険を防ぐため、主に日本、韓国、中国等のアジアの近距離航路で利用されているが、L/C決済では、B/L原本が必要となるため、この方法は使用することができない。
Survey
港湾運送事業法により定められた事業で、鑑定(業)のこと。
船積み貨物の積み付け状況、船体・積荷損害などの検査を行い、結果を証明する。
「T」
「T」からはじまる用語解説
Tally
港湾運送事業法により定められた事業で、検数事業のこと。積荷の個数を証明する。
Tally Sheet
検数票のこと。
港湾運送事業法に基づき、貨物の船積みや荷下ろしの際に貨物の個数を数え、受け渡しを証明する書類。
Tank Container
液体や気体の輸送用コンテナ。
Tare Weight
空のコンテナの重量。
Tariff Rate
表定保険料率のこと。
TC (Transfer Center)
通過型センターのこと。
多数の出荷先へ荷物を振り分け、配送業務を行うために設置された倉庫のこと。
TC1
IATA (International Air Transport Association、国際航空運送協会)が定めた区分でTC1~TC3まで存在する。 TC1は、北・中・南アメリカ大陸、ハワイ諸島、および近隣諸島。
TC2
IATA (International Air Transport Association、国際航空運送協会)が定めた区分でTC1~TC3まで存在する。 TC2は、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域、ウラル以西のロシア及び近隣諸島
TC3
IATA (International Air Transport Association、国際航空運送協会)が定めた区分でTC1~TC3まで存在する。 TC3は、アジア全域(中東除く)及び近隣諸島、東インド諸島、オーストラリア、ニュージーランド及び近隣諸島、太平洋上の諸島。
TEU (Twenty-Foot Equivalent Units)
20フィートで換算したコンテナ個数を表す単位のこと。
輸出入に使用される海上コンテナは、国際的に統一された構造となっているため、サイズも20フィートと40フィートが一般的に使用される。
THC (Terminal Handling Charge)
コンテナヤードでコンテナを取扱うための料金のこと。
TOFC (Trailer on Flat Car)
海上コンテナをシャーシ(道路輸送用のトレーラー)に付けた状態で鉄道コンテナ貨車に乗せて輸送する方式のこと。
TPP (TPP11)協定
TPP(環太平洋パートナーシップ)協定とは、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国及びベトナムの合計12か国で高い水準の、野心的で、包括的な、バランスの取れた協定を目指し交渉が進められてきた経済連携協定をいう。2017年1月に米国が離脱を表明したことを受けて、米国以外の11か国の間で協定の早期発効を目指して協議を行い、2017年11月のダナンでの閣僚会合で11か国によるTPPにつき大筋合意に至り、2018年3月、チリで「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)」が署名された。
Transit Time
船積地(港)から仕向地(港)までの輸送所要日数。
TRQ (Tariff-Rate Quota)
関税割当制のこと。競合する輸入品から国内製品を保護する事を目的とした通商政策を指す。
Tコマース
BS、CS、デジタル放送などのTV放送を通じて行われる電子商取引のこと。
デジタルテレビ放送の双方向サービスを利用した金融取引やテレビショッピングを行うサービスが期待されている。
「U」
「U」からはじまる用語解説
ULCC (Ultra Large Crude Carrier)
最大積載重量30万トン以上の超大型石油輸送船のこと。
ULD(Unit Loading Device)
単位搭載用具といい、航空貨物を一定の単位にまとめ、航空機の貨物室の床面に他の器具を用いることなく直接固定することが可能なユニットのこと。具体的にはパレットやコンテナなどがある。
Under deck
本船の船艙内(甲板の下)に積み込むこと。(甲板上に積み込むことを、On deck という。)
UN (United Nations)規格
国際標準化団体が策定した規格のこと。国際標準ともいう。
定義上、国際規格は全世界で汎用的に利用するのに適しているとされる。
UPC (Universal Product Code)
米国やカナダで使用されている商品コードのこと。
商品の包装に番号とともにバーコードで印刷されており、販売時にPOS端末で読み取ることによって、商品の流通管理に役立てる。
Usance
手形支払期限のこと。
一覧払手形に対する期限付為替手形の意味に転化。さらに外国為替銀行が信用を供与し、一定期間支払いを猶予する場合に用いられることが一般化した。輸出ユーザンス、輸入ユーザンスなどと使われる。
「V」
「V」からはじまる用語解説
Valuation Charge
従価料金のこと。
航空業界で、荷送り人が申告した価格に応じて課せられる料金を言う。高額品輸送などで発生する。
Van pool
空のコンテナの保管場所。
Vanning
コンテナに荷物を詰め込む作業のこと。
VAT (Value Added Tax)
製品やサービスの消費に課される税であり、様々な流通ルートを通るたびに加えられた付加価値に対して課税される。一般的に、課税対象となる事業者が販売するときに付加価値税を課して販売する。
VLCC (Very Large Crude Carrier)
最大積載重量20万トン以上の大型石油タンカーのこと。
VMI (Vender Management Inventory)
部品メーカーなどが納入先の需要情報に基づき在庫管理を行ないながら欠品が発生しないように納品する在庫管理手法のこと。
Volume Charge
容積料金のこと。
航空業界では、貨物の容積に基づいて運送料金を算出している。6000立方センチメートルを1キログラムとして容積を重量に換算している。
V/W (Volume Weight)
容積重量のこと。
貨物輸送の料金は通常、貨物の容積をkgに換算した容積重量(Volume Weight)と実重量(Actual Weight)を比較し、kgが大きい方の数値にて料金の計算を行う。
トラックは1m³=280kg、海上貨物は1m³=1,000kg、航空貨物は、IATA(航空運送協会)が6,000cm³=1kgと定めている。(5,000cm³=1kgを採用する企業もある。) 航空貨物の計算例: 100x100x90㎝ 130kgの貨物の場合、900,000cm3÷6,000cm3=150㎏(Volume Weight)と130kg(Actual Weight)を比較して、150kgが大きいため、こちらが料金計算に適用される。
「W」
「W」からはじまる用語解説
WA (Wassenaar Arrangement)
冷戦の終結に伴い、地域及び国際社会の安全と安定を損なうおそれのある通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の移転と蓄積の防止という課題に関し、東西の区別を越えた輸出管理体制を設立する必要性が強く認識され、ココム(対共産圏輸出統制委員会:旧共産圏諸国に対する戦略物資統制のための枠組み)参加国を中心に協議が開始された。
1994年3月末に、ココムが解消されたことを踏まえ、1995年12月、新たな輸出管理体制の設立について関係国間で政治的な申合せが行われ、1996年7月の設立総会をもって正式に「ワッセナー・アレンジメント(WA)」が発足した。なお、WAの名称は、設立のための協議が行われたオランダのワッセナー市にちなんで名付けられた。
WAYBILL
「貨物運送状」のこと。
単に運送状であるため、貨物の所有権を示す書類ではない。Air WaybillやSea Waybillがある。Airの場合は、運送のための基本書類であり、海上運送における船荷証券や旅客航空運送における航空券に匹敵する。B/Lは有価証券であるのに対し、Waybillは有価証券ではない。
Wayport
途中寄港地のこと。途中にある港に寄って貨物の積み下ろしなどを行なうことをウェイポート・サービスと言う。
WCO (World Customs Organization)
世界税関機構のこと。正式名称は関税協力理事会(Customs Cooperation Council)。
1952年設立で日本は1964年に加盟した。ブリュッセルに本部を置く国際機関で、税関制度の調和・統一及び税関行政の国際協力の推進等を目的としている。主な活動内容は、関税や税関手続に関する諸条約の作成及び見直し、国際貿易の円滑化や安全確保等に関するガイドライン等の作成・推進、国際的な監視・取締りの協力や関税技術協力の推進等である。
WEEE Directive (Waste Electrical and Electronic Equipment Directive)
電子・電気機器の廃棄物回収とリサイクルに関する欧州連合(EU)の指令のこと。WEEE(ウィー)とも呼ばれる。
2005年8月にRoHS(ローズ)指令と共に公布・施行された。
電気・電子機器(electrical and electronic equipment、EEEと略す)について、収集・リサイクル・回収目標を定めている。
- 大型家電
- 小型家電
- ITおよび通信機器
- 民生用機器
- 照明
- 電気・電子工具(大型の固定式産業用工具を除く)
- 玩具、レジャーならびにスポーツ用機器
- 医療用機器
- 監視・制御装置
- 自動販売機
WMS (Warehouse Management System)
物流センターにおいて業務を効率化するために利用する倉庫管理システムのこと。
物流倉庫の入出庫管理~在庫管理・労務管理・ピッキング・梱包出荷など様々な業務情報を管理することも可能。近年では、POTなどのバーコード利用に加え、RFIDを活用したシステムなどもある。
WTO (World Trade Organization)
1995年にGATT(関税貿易一般協定)を継承して創設された国際機関のこと。
「Y」
「Y」からはじまる用語解説
YAS (Yen Appreciation Surcharge)
円高損失補填料金といい、指定された期間の急激な円高による損失を補填するための割増料金のこと。
アジア関係の同盟・協定が、CAF(通貨割増料金)に替えて導入した料金。
「Z」
「Z」からはじまる用語解説
ZIP Code
米国内の郵便番号のこと。基本的に5桁の数字で表される。
英語圏では「Postal code」などとも表記される。